EP「呼吸」 セルフライナーノーツ

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2025/02/08 21:00

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EP「呼吸」に収録されているそれぞれの楽曲を作曲者が解説。
 
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「初夏」
 
爽やかさと鬱屈さが共存した夏の始まりを描いた曲です。
なんだか中途半端で流動的なコード展開に、自分の捻くれてるところが表れていると思います(笑)
歌詞は全く実体験を元にとかではないですけど、高校生の頃を思い出したりしながら書きました。
曲の方はイントロだけ最初にできて、そのあとはかなり時間をかけて書いたと思います。難産でした。
(Kentackey)
 
 
「呼吸」
 
EPの表題曲ですね。頭から歌だし、展開は凄く王道な感じですが、やっぱりコード進行は捻ったつもりです。1サビ2サビの頭ではC6→Bmを繰り返して焦燥感を表し、ラスサビではD→C6になって開放感を表すところとかもポイントですね。歌詞は一度の過ちが全てを台無しにするよ〜って感じのことを言っていると思います。
新曲が作者にとって新曲ではないことは当たり前にありますけど、この曲に関してもサビ部分の旋律や歌詞は2019年の10月にはほぼできていたようです。5年かかってしまいましたがこうしてリリースできたことを嬉しく思います。
(Kentackey)
 
 
「9608」
 
 作った人間がこうだと画定すると、果てまで続く無限の可能性に仕切りの線が見えてしまう。作者の死後文学の研究が進むのと同じく、言い過ぎない故の美徳が芸術にはある。
着地点の話ではなく、出発地点の話をしてみよう。
 
 ボサノバで多用されるメジャーセブンスの響きを使いたいと思った。響きに湿潤な熱帯雨林の匂いを感じたからだ。容赦ない雨のカーテン、土を押し倒す濁流。耐え忍んで迎えた朝を覆う狭霧。
 しかしこれにアーミーグリーンと呼ばれるビッグマフを挟むとどうだろう。変わり映えなく先の見えない荒野が広がり、遠くで稲光が空を引き裂いた。湿度を孕みながらも世界は一変する。
 
 相反する光景を音で描くことがテーマだった。
ギターが荒野を削り出すなら、他の楽器が森林を生み出せば良い。バックサウンドは文字を使わない分、色のない筆を自由に振るうことが許される。デッサンと辻褄を置き去りにして。
 もしこの楽曲、強いて言えばバックサウンドを聴いて、あなたの瞼の裏になにかしら自然の情景が描き出されたのならば、それは音楽をメディアとして私の思想が結びついたことに他ならない。私の預かり知らない部分でメンバーと重なっているのかもしれないが。
 楽曲は呼吸している。私の刺されるような喜びや、はかばかしい苦悩を残して。
(Akashi)
 
 
「狂う」
 
夏は炎天や陽射しの刺激によりなにかと感情が大きくなりやすいのか、焦燥感や闘争心等をいつにも増して抱いてしまいます。
「狂う」もそんな夏に書きました。
 
地元の裏道にてビルの狭間から射した陽がフラストレーションを劈いて、その瞬間歌詞が漠然と浮かんで組み上がりました。この日めちゃくちゃ暑かったのも覚えてる。
 
歌詞の内容について深く語るのはあまり得意じゃないのでこの辺にしますが、言いたいこと言ってさっさと終わらせるような曲になったと思ってます。(言い逃げみたいな)
ここからなんだってできますからね、本当に。
気分の照準が合う度、聴いてくださると嬉しいです。
(ono)
 
 
EP「呼吸」
M1. 初夏
M2. 呼吸
M3. 9608
M4. 狂う
 

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